怒りは敵と思え。徳川家康に学ぶアンガーマネジメント。

プロ社畜が解説する戦国武将名言シリーズ。今回は徳川家康の名言に学ぶ、ビジネスでの怒りの感情を考えてみましょう。

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戦国武将名言・徳川家康の遺訓

今回の言葉は徳川家康の言葉として後世に残されています。

徳川家康といえば鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギスのイメージであるように、辛抱強い人柄が垣間見えます。織田信長・豊臣秀吉の天下を見届けた末の天下人であり、260年余にわたる江戸の世の礎を築いた人物。その家康が残した言葉から現代ビジネスマンとしての身のあり方を考えてみましょう。

徳川家康の遺訓(名言)

怒りは敵と思え

徳川家康の有名なこの言葉は東照宮公御遺訓として遺されています。全文はもう少し長く、徳川家の繁栄を祈り遺した言葉ともいわれています。

人の一生は重荷を負けて 遠き道をゆくがごとし いそぐべからず

不自由日常とおもえば不足なし こころに望みおこらば困窮したる

時を思ひ出だすべし 堪忍は無事 長久の基 いかりは敵とおもへ

勝事ばかり知りてまくることをしらざれば害其身にいたる

おのれを責めて人をせむるな 及ばざるは過ぎたるよりまされり

社畜モンキ
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織田信長・豊臣秀吉の天下人を傍で見届け、人の軋轢を感じてきた家康の生涯を表わしたような言葉です。遠回りをするように焦らず、当たり前を当たり前と思わずに、何事も不自由が当たり前と思えば不満もなくなる。足りないくらいがちょうどいい。との考えでしょうか。

そんな遺訓を遺した家康のエピソードを取り上げてみましょう。

家康は短気で切腹したがるクセがある!?

家康のエピソードに出てくる言葉として「切腹」が上がります。戦場でも自身の戦況が危うくなるとすぐ切腹する!と騒ぎ立て家臣を困らせていました。桶狭間の戦いにて主君の今川義元が織田信長に打ち取られたと耳に入ると、絶望のあまり切腹を試みますが寺の住職にたしなめられます。その後の本能寺の変や大坂の陣でも自身の戦況が悪くなると切腹を試みようとしますが、いずれも家臣の説得により事なきを得ています。いずれの出来事も家康の悲観的発想から癇癪を起すものであり、家臣はそのたび説得に働いていたと思います。

社畜モンキ
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先輩や上司の悲観的な愚痴を聞かされるのは、正直勘弁してほしいですね。

怒りが収まらない徳川家康

関ヶ原の戦いにて、後方より馬で駆け抜けてきた伝令役と接触した際、激高した家康は伝令役相手に刀を振り回したともいわれております。その刀を避け走り去る伝令役に家康の怒りは収まらず、傍の旗差しを切り倒しエピソードが残っています。

社畜モンキ
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怒りをぶちまける上司ほど、めんどくさく恐ろしいものはありません。

短気な家康も自身の失敗を基に遺訓を遺したことでしょう。現代のビジネスマンもこの家康の教えを基に怒りの感情をコントロールできるようになりましょう。

アンガーマネジメントとは?

怒りの感情をコントロールするために、現代では「アンガーマネジメント」という言葉が注目されています。

アンガーマネジメントとは?

1970年代にアメリカで誕生した、怒りの感情を上手にコントロールするための心理的トレーニングのこと。

社畜モンキ
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職場での人間関係や仕事上でのトラブル・コンクリフト抑制のために企業においても注目は高まっています。

アンガーマネジメントにおいて大切なことは怒りの感情を発生させないためではなく、発生しうる感情をいかに上手にコントロールすることを目的としています。仕事やビジネスでイライラとしてしまい同僚や部下、取引先に感情的な対応を行ってしまうと、自身の評価を下げることにも繋がりかねません。どうしても発生してしまう感情をコントロールすることで人間関係や評価を上げることもできます。

社畜モンキ
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そもそも、なぜ人は怒りの感情を抱いてしまうのでしょうか?少し考えてみましょう。

怒りのメカニズム

怒りという感情は自分を守るための防衛本能とも言われています。「こうあってほしい」「こうするべきだ」と自身の理想や期待・願望が裏切られたとに発生するとも言われています。他者との会話や対応の中で、自身の思いとのギャップが生じた際に、まずネガティブな感情を抱きます。このネガティブな感情が許容量を超えると怒りの感情となり、爆発するようにあふれ出てしまうのです。

社畜モンキ
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ネガティブな感情には「不安」や「恐れ」、「悔しい」などを感じます。怒りはそのような感情から自身を守るための自己防衛とも考えられています。一言で表すと怒りでストレスを発散しているとも考えてよいかもしれません。

怒りの感情のデメリット

人間関係や職場の雰囲気が悪くなる

職場などでイライラした態度を出してしまうと職場そのものの雰囲気が悪くなってしまいます。怒りの感情を強くぶつけてしまうと、ぶつけられた相手は敵対心を持ってしまいます。感情的な対応が表面化しケンカのような関係性になると、業務に支障が発生してしまうことも少なくありません。

上下関係によるハラスメントの発生

職場において怒りの感情は上から下へ伝達・流れてしまう性質があります。イライラした上司に八つ当たりされた先輩から強く当たられた事はありませんか?立場が弱いものは言い返すことが難しく、結果的に怒りの上位下達が起きてしまいます。

期待値のギャップ

近しい間柄には期待値が発生します。自身が長年指導してきた部下なのだから、ある程度できて当然・当たり前。その結果が大きく裏切られたときにネガティブな感情(不安・恐れなど)が発生してしまい、自己防衛のために怒りの感情が発生してしまいます。自身の部下や部署ならなおさらのことです。他部署の全く知らない新人がミスをしても、まったく腹が立たないのはその新人に期待値を持ち合わせていないからです。

社畜モンキ
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上司はかわいがっているつもりでも、部下はされて当然と思っているかもしれません。この間には認知的不協和が発生しているため、裏切られたとのネガティブな感情への自己防衛のために怒りが発生するのです。

怒りの感情をコントロールするメリット

前出の内容から裏切られたと感じる際にネガティブな感情を抱きます。もともとネガティブ思考の人格は、ストレスの体制も弱く、自己防衛のために怒りの感情を発生させやすいのかもしれません。ではこの感情をコントロールすることでどのようなメリットを得ることができるでしょうか?

主なメリット

  • 自分自身への自己肯定感が高まる
  • 仕事へ対してのモチベーションを高めることができる
  • 良好的な人間関係を築くことができる

などがあげられます。

社畜モンキ
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仕事ができる人は自己管理に長けている方も多く、ポジティブな印象を受けます。怒りの感情を上手にコントロールすることでポジティブな仕事ができる人の印象も持てるのです。

怒りの感情をコントロールする

では実際に怒りの感情をコントロールする方法を考えてみましょう。

6秒ルールで怒りを鎮める

怒りを感じたら、衝動的に対応するのではなく一呼吸置くようにしましょう。怒りの感情のピークは一般的に6秒間と言われています。つまり、この6秒間を凌ぐことが出来ればピークをやり過ごし、落ち着いた対応を行いやすくなります。心の中でゆっくり落ち着いて1・2・3・4・5・6と数えたのち今一度相手の主張に耳を傾ける、自身の伝えたいことは何だろうと論点を整理するが大切です。深呼吸を行ったり思い切ってその場を立ち去るなども場合によっては有効的な選択肢になります。

理想や願望など価値観のズレを受け入れる

怒りの発生するメカニズムに期待値のギャップが存在します。出来て当然の期待値をもって接すると、出来なかった際のギャップに怒りが生じます。このギャップが大きくなればなるほど怒りの感情も大きくなります。部下は自分より経験値も少ないのでミスをして当然、できなかったのは自身の指示が不十分であったからである。あらかじめ他者を受け入れる気持ちをもって接することで価値観のズレを受け入れることが出来ます。つまり、他人に期待する必要はありません。

怒りを鎮める偉人の名言

徳川家康以外にも名言や怒りを戒める言葉が多く残されています。

怒りは無謀をもって始まり、後悔もって終わる

ピタゴラス|古代ギリシャの哲学者

                                     

政治において、憤怒は常に最悪の役回りを演じる。

ウラジーミル・レーニン|ロシアの革命家

怒りから始まったものは、恥にまみれて終わる。

ベンジャミン・フランクリン|アメリカ建国の父

怒りの結果は怒りの原因よりもはるかに重大である

マルクス・アウレリウス・アントニウス|ローマ皇帝

社畜モンキ
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歴史上の様々な偉人が怒りについての言葉を残しています。いずれも怒りの感情からのポジティブな言葉はまれであり、多くはネガティブな戒める内容となっています。短気は損気ということですね。

まとめ

今回は徳川家康の名言からアンガーマネジメント、怒りに対するデメリットを取り上げてみました。仕事やビジネスにおいて怒りの感情は不必要であるとも言えます。しかし実際には、怒りっぽい人、怒らない人、何を考えているかわからない人など人間関係は様々です。戦国時代では怒りで判断を誤ったり、鈍ったりするとそのままお家の滅亡につながりかねません。家康もたしなめてくれる部下がいなければそのまま切腹し、その後の260余年の徳川幕府は無かったかもしれません。

江戸時代でも怒りのあまり切り捨てごめんとそのまま命を取られることも少なくありませんでしたが、現代でもハラスメントなどにも気を配らなければいけません。ハラスメント一発でクビにもなる時代、怒りっぽい人は自身を理解するようにアンガーマネジメントとして取り入れていくようにしましょう。

それでは皆様よい社畜ライフを!

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