企業の企業戦略(成長戦略)において欠かせない言葉「ドメイン」。今回はこのドメインをプロ社畜が解説いたします。
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ドメインとは企業戦略(成長戦略)の概要である
企業は経済活動を主に行います。企業の経済活動とは儲けを得ること、つまり企業も稼いでいかないと潰れてしまいます。
物価の上昇に伴い、人件費や資材も上昇にしコストは高まっていきます。一定額の儲けを得ているだけではコストを吸収できなくなり、儲けの無くなった企業はやがて潰れてしまいます。
倒産を防ぐために企業は儲け続けなければいけません。そのためには企業として儲ける金額を徐々に拡大させていく必要があります。拡大させていくことを企業を成長させるとも言います。
パパママの個人店ならば一定額の利益があれば結構ですが、従業員を雇っている以上、給与や福利厚生のコストが年々拡大していきます。雇用の維持や設備投資の面からも企業を成長させて行くことは義務であるとも言え、成長させる戦略が必要となります。
企業の成長戦略とは、
企業が長期間にわたって持続的な成長を維持していくために、企業全体としてどのような領域で事業活動をしていくかを決定していくことです。
他にも新規事業の展開、各事業への経営資源の配分決定なども含まれており、複数の事業を展開している企業においては、どのように経営を行っていくかを戦略的に組み立てる必要があります。
企業は様々な方法で稼ぎを得ようとします。しかし、儲かるからとあれもこれも手を出してしまうと、何をしている会社か顧客も従業員も経営者も混乱してしまいます。あらかじめ儲けていく計画を立てる必要があるのです。
企業ドメインとはなにか?
ドメインとは事業領域の事であり、
現在から将来にわたり、企業の事業がいかにあるべきかを明らかにしたものです
企業活動を行うにあたり、ドメインの設定を明確に行っていなければ、企業全体の行動が右往左往する事となり、経営自体が行き詰まることもあります。ドメインの範囲設定が狭すぎれば顧客ニーズに応えることが難しくなり、広すぎれば経営資源の分散や競争に巻き込まれることとなり、企業において最適な範囲で設定することが望ましいと言われております。
聞き慣れない言葉ですが、企業の方向性や事業領域(ドメイン)を設定・確認しておかないと、八百屋の片隅で魚を売る事になりかねません。注意しておきましょう。
企業ドメインの設定
ドメインの設定については自社の経営資源・環境を考えて、自社の強みが発揮出来る領域を設定します。自社の将来のあるべき姿を考え、今後必要な経営資源を蓄積していくために検討することも重要です。
企業ドメイン設定の利点
- 企業の意思決定者の注意焦点が定まり、その後の事業展開がスムーズになる
- 必要な経営資源の蓄積が具体的になる
- 企業全体の一体感が高まる
ドメインは環境や時代の変化に応じて変化をさせていく必要があります。変更にあたっては組織内部のみではなく、組織外部ともコンセンサス(合意)を得る必要があります。
会社の活動において漠然としている目標を現実的に設定することもドメインの1つです。実際にドメインはどのような考え方があるのでしょうか?
ドメインの物理的定義
ドメインの発想を「モノ」を中心とした定義付けを行う。
例:ビールの製造会社が自社の事業領域を【ビールの製造】と定義する
スタートアップの企業などにみられますが、物理的定義にデメリットがあります。モノを中心とすることで事業活動の範囲が狭くなり、現在の事業領域の枠を越えた発想が生まれにくくなります。
ドメインの機能的定義
「コト」を中心とした発想が行われます。顧客のニーズが中心となるため、将来の発展可能性を感じさせるものを多く設定します。
例:ビールの製造会社が自社の事業領域を【コミュニケーションのおとも】と定義する
抽象的な表現に陥りやすくターゲットが不明確になりやすい事もありますが、コミュニケーションを取る場所(居酒屋・宴会場・社交場など)がある限り企業活動は拡大していきます。商品開発だけで無く、環境の創造など企業として多くの可能性に挑戦する事ができ、利益を上げていくことが可能となります。
企業ドメインと事業ドメイン
複数事業を展開する企業においては、その設定は企業全体の事業領域である企業ドメインと、事業ごとの展開領域である、事業ドメインの2つで行われることとなります
企業ドメイン
企業ドメインの設定は自社活動を展開していく範囲を設定するものであり、事業ドメインを組み合わせていく事でもあります。自社がどのような企業方向性を持っていくか?を包括的に設定し、企業の基本性格や同一性を表わしていくような事業領域を設定します。
小さな会社だと事業ドメイン=企業ドメインになります。前出のビール会社で例えると、「モノ」が中心である発想が事業ドメイン。「コト」が中心である企業の事業全体をまとめる考え方を企業ドメインと指します。
事業ドメイン
事業ドメインの設定はその事業の範囲を設定することでもあり、どのような消費者をターゲットとして、どのようなニーズを満たしていくのか、など設定を行っていきます
事業ドメインの設定はエーベルの3次元枠組みを用いると良いと言われています
- 顧客(customer)・・・商品やサービスを誰に提供するのか
- 機能(function)・・・どのような機能・価値を提供できるのか
- 技術(technology)・・・どのような技術やノウハウを用いるのか
上記3点を元に、わかりやすく考えると
誰に→顧客、何を→機能、どのように→技術
「誰に何をどのように」と考えて、事業の幅を設定していくことです。
この3点を元にきちんとターゲットを設定していく事で、事業ドメインが明確化され、企業資源の選択と集中を行う事が出来ます。対外的にも企業イメージが印象づけられ、無謀な多角化の抑制にもつながります。
企業ドメイン事業ドメインのメリット
企業がこれらのドメイン(事業領域)を設定することにメリットはあるのでしょうか?
メリットとして
- 競争相手や競争関係の明確化になる
- 自社の儲ける目的がハッキリとする
- 企業の成長する方向性が明確化する
- 従業員や顧客が共有・共感しやすい
などがあげられます
私たちの周りでは基本理念や企業理念として、身近な言葉で表現されていることも多く、印象的なキャッチフレーズとしてCMでも流れています。コンビニ業界だと「あなたとコンビニ」や「ちかくて便利」がわかりやすい例です。
事業ドメインは前出の誰に・何を・どのようにが明確となっているため、自社の強みや魅力、方向性を定義することができます。大きな企業の活動においては自社の事業を明確化する事が出来、スタートアップ企業などでは資本や技術に注力することができます。自社魅力をより高めていくことは差別化にも繋がり、大きな武器となりうるのです。
まとめ
今回はあまり聞き慣れないけれど、どこかで耳にした事のある企業ドメイン・事業ドメインを取り上げてみました。ブログ活動を行うに当たり「社会人(社畜)が覚えておくと強くなるキーワード」を取り上げています。
みなさまの活動にこのドメインの考え方を取り入れていただければ、よりターゲットが明確に動きやすくなってくるのではないでしょうか?ぜひ取り入れてみてくださいね
それではみなさま、良い社畜ライフを!