今回は企業の競争地位別戦略を取り上げます。ご自身の会社における営業活動やブログ等にご活躍下さい。
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コトラーの競争地位別戦略とは?
コトラーの競争地位別戦略とは、マーケティングの分野において、競争環境に応じた戦略を策定するためのフレームワークです。コトラーは、競争環境がどのように構成されているかによって、企業の戦略を変更する必要があると主張しました。
競争地位別戦略は、企業が市場において競合他社とどのように戦うかを示すものです。競争環境は、企業の商品やサービスが市場でどのような地位を占めているかによって決定されます。
経営資源の量(量的経営資源)
- 投入資金、資本
- 販売拠点数
- 販売員数(ヒトの数)
- 生産規模や生産能力
経営資源の質(質的経営資源)
- 開発技術力
- マーケティング力
- ブランドイメージ
- 経営者のマネジメント力
いわゆるヒト・モノ・カネは量、情報やブランドは質に当たるかと思います。いずれも大企業の方が有利であると言えます。
リーダー企業の戦略定石
リーダー・全方位戦略
業界内で最大のシェアを誇る企業の事を指します。
経営資源の量や質ともに高く豊富であるために、
全方位戦略を用いて他の企業の追従を押さえ込む戦略を取ります。
リーダー企業は自身の地位を維持するために、以下の戦略をとります
周辺需要拡大政策
自社の市場そのものの拡大を図る政策です。
例:グラノーラを販売している企業が朝食を食べる習慣を行う啓蒙活動を行うと、朝食を食べる人口が増えます。結果的にグラノーラ自体を食べる人口が増え、自社の製品認知の広がりと、売り上げが上げる事となります
市場規模の拡大は最大シェアを有するリーダー企業が最も恩恵を受けることとなります
同質化政策
チャレンジャー企業は差別化戦略を行い、特異性を発揮することでシェアを広げます。
リーダー企業はそれらの戦略を模範・追随することで、その差別化戦略を無効化してしまう働きかけのことです。
無効化することでチャレンジャー企業の特異性が失われ、リーダー企業に優位に働きます
非価格対応
業界自身が低価格競争に陥るとリーダー企業が最も利益が減少します。
「非価格対応」を行う事で価格競争に巻き込まれない、ブランド力を維持することが出来ます。
最適シェアの維持
市場シェアを獲得しすぎると独占禁止法に抵触する恐れがあります。
シェアの拡大は一定以上の水準を超えると、
多大なコストもかかるようになり、かえって利益率が低下します。
「最適シェアの維持」がリーダー企業の戦略定石となります。
シェアが拡大するにつれ、リーダー企業=市場イメージとなり満足度に直結する為、価格の変動や利益の拡大を行う事が少なくなり、市場の衰退に繋がります。
独占状態になると企業は利益をより獲得したいが為に、高く値をつけることが多く見られ、消費者に不利益が働くことになります。消費者は買うか高いから買わないの選択肢しかありません。
独占禁止法とは
特定企業による市場支配が製品価格の上昇やサービスの低下に繋がらないように、公正な条件の下で市場の競争を促し、消費者利益の向上を図る為の法律です。
有力企業が競合相手を排除して市場を独占することや、談合で価格競争を制限したり、新規参入者を妨害して市場を独占しようとする私的独占を防ぐため、法律で規制されており、それらを運用するために公正取引委員会が設置されております。
公共事業における談合などは不当な取引制限(入札談合)に当たることもあります。高止まりした金額の出所は結局税金なのです。
他ポジションの戦略
先ほどのグラノーラを例にそれぞれのポジション企業の戦略を考えてみましょう
チャレンジャー・差別化戦略
リーダーに果敢に挑戦し、リーダー企業との差別化を行い、市場シェアの拡大を狙います。業界で2,3番手のシェアを誇り、リーダー企業に挑戦しトップを狙う企業のことです。
自社のブランド力を高めコスト競争、競争範囲の拡大、同じ土俵でもリーダー企業に飲み込まれない戦略をとる必要があります。
例:リーダー企業が季節限定商品を展開し市場を広げている中、チャレンジャー企業も季節限定商品を展開する。リーダーを研究し素材や特徴で変化をつけた商品開発し,同じ土俵で勝負をする。
ニッチャー・集中化戦略
市場が小さく、リーダーが採算が取れない・扱わない分野・市場を集中的な活動を行います。業界自体のシェアは低くても、ニッチな分野で大きな指示を得ている企業のことです。
小さな経営資源を自身の得意な分野に集中的に投入することで、技術やノウハウを構築し、高収益化を図ります。
例:希少で数が多く取れない素材(地域素材など)を活用し、リーダー企業が販売しない高価な価格帯の高品質グラノーラを、高単価が望まれる百貨店などエリア限定で販売する。
フォロワー・模範戦略
リーダーに挑戦せず現状を維持し、あえての危険を冒さない企業のことです。チャレンジャーやニッチャーどちらの戦略もとらず、経営資源量・質ともに少なく乏しいため、リーダー企業に追随(模範)する事で安定的な利益獲得を目指します。
模範から競争優位を獲得するために自身の強みを見つけていく働き(仕組み)が必要です。
例:リーダー企業のヒット商品を研究し、自社の製品を市場投入します。リーダー企業に比べて味はまあまあだけど安くていい。低価格層顧客をターゲットとし、ファンの獲得を目指します。
まとめ
今回は差別化戦略を取り上げてみました。
国内の多くは中小企業であり、大手企業に比べ量も質もかないません。
善く将たる者は、人を形せしめて我に形無ければ、則ち我は専りて敵は分かる。我は専りて一と為り、敵は分かれて十と為らば、是れ、十を以て其の一を攻むるなり。我寡なくして敵衆きも、能く寡を以て衆を撃つ者は、則ち吾が与に戦う所の者約なればなり。
孫子の兵法 第六章 虚実篇
勝てないほどの大きな相手は小さく切り崩していけば良いとの考え方で、「勝てる分野で勝つ」の考え方でもあり、ニッチトップを目指していく戦略ゴールを設定するべきであるといるでしょう。
現代における大企業もかつては、フォロワーやニッチャー企業であったと言えます。
スマートフォン市場もアップル社のiPhoneが創り出したとも言え、
当時フィーチャーフォンと呼ばれてた高機能携帯電話というニッチの市場に、パソコンの機能を備えたスマートデバイスの市場を創り出し、現代に至るトップ企業へと成長を遂げています。
中小企業やブログを始めた方なども自身の得意の分野で勝負し、「小さな池の大きな魚になる」ことが最善の策とも言えるでしょう。
それでは、みなさま良い社畜ライフを!