ポアソン分布とは何か?ビジネスに応用できるわかりやすい解説を行います。

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ポアソン分布とは何か?

まずはじめに、ポアソン分布が何かを簡単に説明します。

ポアソン分布とは、

カウントデータや出現回数などの離散データを扱う確率分布であり

ある期間・ある面積・ある区間などで

何回発生するかを予測することができます

社畜モンキ
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ビジネスでは、来客数商品の売り上げ数など、数えられるものに対する予測に応用することが出来ます。分析や需要の予測に有効ですね。

ポアソン分布の式の説明

ポアソン分布は式に表わすことが出来ます。この式について詳しく説明しましょう。

ポアソン分布の式は、

P(X=k) = (λ^k/k!) * e^(-λ)

Xは発生回数を表し、kは発生回数がk回である確率を表します。

λは単位期間(時間、面積、区間など)あたりの平均発生回数を表します。

式を解説すると、λ^k/k!は発生回数がk回である確率を表す項で、e^(-λ)は平均発生回数λに対する相対的な発生回数kの確率を表す項です。ポアソン分布は、λが大きくなるほど正規分布に近づくという性質があります。また、期待値と分散がともにλとなるため、分散が平均値よりも小さい場合に適用されます。

ポアソン分布の式を例える

ある果物屋さんには、平均して1時間あたりに5人のお客さんが訪れるとします。このとき、ポアソン分布を使って、ある1時間でお客さんが3人来る場合の確率を計算してみましょう。

ポアソン分布の公式は、以下のようになります。

P(X=k) = (λ^k/k!) * e^(-λ)

ここで、λは平均発生回数で、この場合は1時間あたりのお客さんの数である5人です。

kは発生回数で、この場合は1時間に来るお客さんの数である3人です。

したがって、公式に値を代入すると以下のようになります。

P(X=3) = (5^3/3!) * e^(-5) = (125/6) * 0.0067 = 0.1041

つまり、ある1時間でお客さんが3人来る場合の確率は約10.4%となります。

このたとえ話では、果物屋さんにおけるお客さんの来店数をポアソン分布を使ってモデル化し、ある時間内での来店者数の確率を計算することができました。実際のビジネスでも、来店数問い合わせ件数商品の売り上げ数など、数えられるものをポアソン分布を使ってモデル化することができ、予測や分析に活用されます

社畜モンキ
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ビジネスで来店予測ができるとソリースの適切な配分を行うことが出来るので、コストの削減につながり、経営の効率化につながります。

ポアソン分布でできるビジネス予測

ポアソン分布はビジネスにも活用することが出来ます。ここに実際に予測できそうなモデルケースを挙げてみましょう。

コールセンターの電話着信数

ある時間帯におけるコールセンターへの電話着信数をポアソン分布でモデル化することができます。着信数が多い時間帯や曜日などを把握し、適切なスタッフ配置やシステム改善などを行うことができます。

ウェブサイトのアクセス数

ある時間帯や特定のページのアクセス数をポアソン分布でモデル化することができます。アクセス数の多い時間帯やページ、来訪者の属性などを把握し、マーケティング戦略の改善やコンテンツ改善などを行うことができます。

製品の欠陥数

製品の欠陥数をポアソン分布でモデル化することができます。製品の欠陥率を把握し、原因を分析して品質改善やコスト削減につなげることができます。

誤薬投与数

医療機関での誤薬投与数をポアソン分布でモデル化することができます。誤薬投与の発生頻度や傾向を把握し、安全対策や教育プログラムの改善などを行うことができます。

飲食店の来店数

ある時間帯における飲食店の来店数をポアソン分布でモデル化することができます。来店数の多い時間帯や曜日、客単価などを把握し、マーケティング戦略や店舗運営の改善などを行うことができます。

社畜モンキ
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飲食店やホテルでは土日の稼働が高いのでスタッフを多めにしよう。など、日ごろ体感として感じ取っていることも、公式に当てあてはめることが出来ます。

ポアソン分布の特徴

ポアソン分布は、単位時間あたりに発生するイベントの回数を表す確率分布です。前例にある様に、1時間あたりの電話の着信数や、1日あたりの交通事故発生数などがポアソン分布でモデル化されます。この公式から導き出される特徴には、どのようなものがあるでしょうか?

平均値と分散が等しい

ポアソン分布は、平均値と分散が等しいという特徴を持ちます。つまり、発生回数の期待値とばらつきが同じであるため、分布の形が左右対称となります。

大数の法則に従う

ポアソン分布は、大数の法則に従う確率分布の1つです。つまり、試行回数を増やすにつれて、確率分布の形が正規分布に近づく傾向があります。

確率変数が離散値をとる

ポアソン分布は、確率変数が離散値をとる確率分布です。つまり、発生回数が整数値しかとらないため、分布の形が尖っています。

複数の独立な事象から発生するイベントに適用可能

ポアソン分布は、複数の独立な事象から発生するイベントに適用することができます。つまり、発生確率が均等であるような多数のイベントをモデル化することができます

社畜モンキ
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ほとんどの場合には発生しない事象が、ある一定期間内や一定空間内で発生する回数を予測することができます。そのため、ポアソン分布は、稀な事象の数を予測する際に有用な分布として広く用いられています。

ポアソン予測を用いた予測

ここで1つ例を挙げてみましょう

ある企業のコールセンターでは、1時間あたりの電話着信数が平均5件であると分かっています。ある日社長が「実際には外部の広告などにより、予想以上に電話がかかってくる可能性もあるよね?午前中は忙しいから人を増やした方がいいんじゃない?」と言い出しました。

そこで、ポアソン分布を用いて、明日の午前中(9:00-12:00)の電話着信数を予測することにしました。

社畜モンキ
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トップダウンの指示に惑わされていけません!早速ポアソン分布を用いて予想してみましょう。

ポアソン分布の公式に当てはめる

単純に考えると平均で午前中の3時間で合計15件の着信があると予測されます。この例文をポアソン分布の公式に当てはめて説明すると、以下のようになります。

λ = 5(1時間あたりの平均着信数)

t = 3(予測期間:午前中の3時間)

P(X = k) = e^(-λ) * (λ^k) / k!(ポアソン分布の確率密度関数)

1時間当たり平均で5件の電話着信の場合において、ある時間帯において、たとえば6件の電話着信が発生する確率は、以下のように求めることができます。

P(X=6) = (5^6 * e^(-5)) / 6! ≒ 0.1462

つまり、午前中の3時間で1時間当たり6件の着信がある確率は約15%程度となります。このようにポアソン分布を用いて予測することで、ある期間内に起こりうる事象の確率を数値化することができます。

それでは、着信数が1回から15回までを公式に代入すると以下の表のようにまとめることが出来ます。

例えば、着信数が1件の場合における確率を求めるためには、以下のように式に代入します。

P(X=1) = (e^-5) * (5^1) / 1! = 0.0067

着信回数が1回から15回をグラフで表すと

このようなグラフでまとめることが出来ます。この中でもっとも多いのは着信が4.5回来る確率(約18%)次いでその前後の3回、6回となります。そのため、平均の前後の数字となるため現在の人員の範囲で対応することが出来ると判断することが出来ます。

社畜モンキ
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平均5件とありますが、人間の体感はあてになりません。このように客観的に見ることが出来る指標があればデーターからも納得性のある返答が出来ます。

まとめ

ポアソン分布の式や特徴、そして応用例を紹介し、ポアソン分布の基礎を解説しました。

ポアソン分布は、カウントデータや出現回数などの離散データを扱う確率分布であり、ある期間・ある面積・ある区間などで何回発生するかを予測することができます。ビジネスにおいては、来客数や商品の売り上げ数など、数えられるものに対する予測に応用されています。とはいえ、公式等であらわすと中々難しいものがあります。

日ごろのビジネス活動で起ることをポアソンだと、と意識するだけでも、自身の中で経験と公式への理解が深まりそうですね。

それでは皆様、よい社畜ライフを。

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