実は知らない!?中小企業のお給料事情

働けど働けどなおわがくらし楽になりざりけりー石川啄木ー

有名なこの詩は現在のブラック企業に勤めている方にも共感できるのではないでしょうか?

今回はブラック企業が多いと言われる中小企業にフォーカスしお給料事情を探ってみましょう。

※当ページは一部にプロモーションを含みます

日本のほとんどは中小企業

日本における全事業者数の総数約358万社のうち中小企業は357万社です

つまり

日本の会社のうち99、7%の事業社は中小企業になります。

製造業を例に挙げると総付加価値(生産価値)、の大半は大企業が生産活動を行っており、残りを中小企業や小規模事業で締めております

中小企業白書2020より

統計からみても全事業所数0.3%の大企業が全付加価値の47%を創出している一方、中小企業の生産性は大手企業に比べると低くい事がわかります

お給料のしくみ

中小企業は大企業に比べると稼ぐ力が弱い事がわかります。

お給料はどこから捻出されるのか?

従業員へ支払われるお給料は売り上げから経費を差し引いた利益から支払われます。

売り上げ-経費(原材料費)=利益

例えば・・・地元で人気のこだわりコロッケ屋さんは1個80円のコロッケを販売しています

このコロッケは人気商品でよく売れていますが亭主だけではお客さんの対応ができず、販売を任せるために近所のパートさんを雇うことにしました。

パートさんは亭主が製造したコロッケを店頭で販売しています。

このパートさんの人当たりが良く、近所でも評判で一日200個のコロッケが販売できる様になりました

コロッケを販売した金額(売り上げ)からコロッケを作るための材料費(経費)を引いた利益からパートさんのお給料が支払われます。

中小企業や大企業にかかわらず、会社からお給料が支払われる基本的な仕組みです

会社は利益がなければお給料も支払うことができません

中小企業はなぜ給料が安いのか?

給料の低い中小企業においても従業員の皆さんは頑張っています

ここで非難されるのは経営者であり、前出の統計により中小企業は大企業に比べ生産性が低いという特徴があげられます

ここで生産性という言葉に着目します

売り上げ / 従業員数=1人あたりの売り上げ

先ほどのコロッケの例に挙げると・・・

隣町のおいしいコロッケ屋さんでは効率的な機械の導入により、コロッケの生産スピードを飛躍的に向上することができました

販売価格は同じ80円ですが生産するスピードが上がったため、お客さんの回転力が高まりパートさんのコロッケ販売数が3倍の600個販売しております

必然として1日の売り上げが先ほどのコロッケ屋さんより多く、利益が増えた分、多くのお給料をパートさんに支払うことができます

ここで気づいて欲しいことがあります、先ほどのコロッケ屋さんは亭主が毎日一生懸命コロッケを製造しても1日200個が関の山です。

1日200個販売するコロッケ屋さん
80円✕200個=16,000✕300日(稼働日)=年間4,800,000円

1日600個販売するコロッケ屋さん(隣町)
80円✕600個=48,000✕300日(稼働日)=年間14,400,000円

隣町のコロッケ屋さんは機械化と新たな機械の導入によりさらに生産量を増加、新たな店舗への出店も検討でき結果として、さらなる売り上げの増加が見込めるのです。

どちらのコロッケ屋さんの方がお給料を多く支払ってくれる可能性が大きいでしょうか?

売り上げがないと利益も乏しくお給料を支払うことも出来ません

ここが多くの中小企業と一般的な大手企業の基本的な発想の違いであり、経営者の才覚の詰まるところでもあります

自身のお給料を上げるためには

あなたはどちらのコロッケ屋さんで働きますか?

お給料でお悩みの方は自身の働く環境を見つめ直しましょう

中小企業においても従業員への還元率が高い企業は多くありますが、残念ながら事業規模や資金面を考慮しても多くはありません

中小企業は中小企業でいることで様々な税制の優遇を受けることもできるので、事業拡大を急がず事業規模の小さい商売に浸かりきっている企業も多いのです

特にサービス業や飲食・小売業では生産性が低い事が多く、一般的に「ブラック企業」でくくられる企業・業種も見受けられます

就職や転職では該当の企業売上高を従業員数で割ってみると一人あたりの売上高が計算できます。


そこに各業種のおもな人件費率(飲食・旅館業は3割、サービス業は5割、小売り1,5~2割、等)をかけ給料の目安としてみましょう。

そうです、多くの中小企業ではではあなたの給料を精一杯支払っているのです。

まとめ

いくら働いていても給料が上がらない、サービス残業が多い・・・そのようなお悩みの方はすぐにでも自身の環境を見つめ直すことが必要だと思います

費用は他にも家賃などの固定費や光熱費借り入れなど様々な経費が必要となります

その中で事業規模の小さな商売を行い、大手並みの待遇を受けるには難しい問題も多いように見受けられます

あなたが希望するそれ以上の給料は支払うことができませんので、見切りが立ったなら、思い立ったが吉日、すぐに行動に移しましょう。