ビジネスにおいて「無能な働き者は銃殺せよ」この強烈なワードを耳にしたことがあるかも知れません。今回はプロ社畜がこの言葉を解説いたします
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ドイツの軍人「ゼークトの組織論」
ハンス・フォン・ゼークトはドイツの軍人で参謀総長や陸軍総司令官を務め、1920年代前半のヴァイマル共和国軍最大の実力者として軍の権威を確立した人物です。
大戦後の縮小を余儀なくされた陸軍の債権に貢献したとも言われており、退役後は中華民国の軍事顧問にも就任しました。
無能な働き者とは?ゼークトの組織論4つの分類
彼の軍人ジョークとして語られたとされています
人の本質は4つに分けられるとされており、それぞれの適正において職務を振り分ける事が望ましいとされています。
- 利口
- 愚純
- 勤勉
- 怠慢
ビジネスにおいては下記のように分類されます。
- 利口 ✕ 怠慢 = 有能な怠け者
- 利口 ✕ 勤勉 = 有能な働き者
- 愚純 ✕ 怠慢 = 無能な怠け者
- 愚純 ✕ 勤勉 = 無能な働き者
有能な怠け者
有能な怠け者は指揮官にせよ
自身で動かずに上手に人を使うことが出来る者こそ、最も優れた高級指揮官であると言えます。特性を見極め下に指示を出し最大限の成果を得る、経営者のあるべきポジションでしょう。
怠けものなのでいかに人を上手に活用する事が出来るのか?を考えています。指示系統がハッキリとした組織は強い組織だとも言えます。
有能な働き者
有能な働き者は参謀に向いている
高級指揮官の下で作戦・用兵などの計画・指導を受け持つポジションでもあり、現場への指示や策略を立て自身で行動を行います。会社においては中間管理職がこの立場であると言えるでしょう。
優秀なのである程度の地位で十分に働きます。参謀と指揮官では全く異なったスキルが必要となります。名プレイヤーが名監督とは言えないのです。
無能な怠け者
連絡将校か下級兵士くらいは務まるだろう
命令を忠実に実行することの出来る役職に適しており、組織において9割はこのポジションに当てはまると言われています。指示を受けて現場での単純作業や、ルーティーンワークを主とした業務内容になります。
ゼークトの組織論によると、会社員の多くはこの無能な怠け者にあたります。自身で成果を上げて報酬をもらうよりは、仕事をこなして給料をもらう方が楽だという考え方ですね。
無能な働き者
無能な働き者は銃殺するしかない
最も恐れるのはこの無能な働き者です、このような者を軍隊において重用してはならないともされています。本人にはやる気があっても上司や会社からの指示を勝手に自己解釈したり、行動に移したあげくミスを犯します。本人は間違えた認識を持ち合わせていないため同じ過ちを犯します。
ゼークトはこのような人間が規律を見出し大きな損害を与えるために重要な役職を与えてはいけない。組織で頑張らせる位ならいなくなってしまった方が良い、と表現しています。
ドキっとされた方も多いのでは?組織には必ずしもこのような人材がいます。頑張れば頑張るほど現場が混乱する・・・無能な働き者のやる気ほど恐ろしいモノはありません・・
次の項目で自身がこの無能な働き者に当てはまるかチェックしてみましょう
あなたは当てはまるか?無能な働き者度チェック
自身がこの無能な働き者に当てはまるかチェックしてみましょう!
報連相(ほう・れん・そう)を怠ってしまう、タイミングが遅い
無能な働き者はほうれんそうが苦手で、考えるより勝手に突っ走って事後報告が多い特徴があります。ほうれんそうを怠ると以後の仕事の進行が難しくなり、自身の信用問題に直結します
上司に報告をしろと言われることが多くありませんか?チームで解決することも多い世の中です
無能な働き者が中心で回っている仕事など世の中にありません
単純な同じミスをする
単純作業でも同じミスを犯しがちです。
一度注意した作業においても物事の本質を理解していない・理解することが出来ない為、注意された物事の応用が出来ません。この方に共通する謝り方は「すみません」です。
すみませんとその場を自身が謝ることでやり過ごそうとし、また同じようなシチュエーションで同じようなミスを犯してしまいます。注意されることに慣れている特徴が垣間見えます。謝っているパフォーマンスだけでは成果は得られません
勝手な自己判断をしている
仕事の責任範囲を勘違いしているもしくは指示待ち人間にこの傾向が大きく見られます
自身の意見や確証が楽観的であり想像力に欠け、前例がない仕事では大丈夫だろうと事に着手したり、判断を仰ぐまで一切動けないとこのような行動に陥ります。
楽観的に着手するあまり失敗したときの被害が甚大になったり、指示を仰ぐまで一切動けないと納期も守れず、会社が取り返しの付かない被害に合うこともあります。いずれの場合も、その後の想像力が欠如しているが為の勝手な自己判断のように垣間見えます。
無駄な仕事をするくせに、成果が低い
無能な働き者は仕事の能力が低いために作業効率も悪く、単純作業でさえ選ばざるを得ません。
これらの者に限って自身の仕事を増やそうとします。作業効率が悪いがために、ますます仕事を抱え込み悪循環を生み出し、仕事を抱え込んでいるその状況を心地よく思い悦に浸ります。
そもそも仕事を抱え込むこと自体勘違いだと言うことが多いのですが、本人はわかっていません
そのくせに仕事への責任感が異常なほど強い
仕事が滞るとチームに影響し、チームの影響は会社に損失を与えます。
無能な働き者は上司が周囲に仕事を割り振ることを不服に思い愚痴が多くなります。 責任という言葉をはき違えているが為、周囲は無能な働き者のペースに合わせるほか無く、結果として全てが滞ることとなります。仕事の責任とはきちんと納期を守ることです
自己評価が高い
自己評価が高い人間に共通することは自分自身が無能だということに気がついていません。ほうれんそうや自己判断などに付随する特徴が垣間見え、プライドが高く人を見下す傾向があるとも言えるでしょう。そのような人は失敗やミスの原因が自身に落ち度があっても異常なまでに立ち直りが早く、自身と他者の間に評価のずれが生じやすいのです。
上司が無能な働き者の場合の対処法
会社組織において上司は部下を選べますが、部下が上司を選ぶ事はまずありません。上司が部下である場合の対処方法を考えてみます。
ピーターの法則を理解した組織の元で働こう
ピーターの法則とは、ローレンス・J・ピーターにより提唱された法則であり、
あらゆる有効な手段は、より困難な問題に次々と応用され、やがては失敗する
この法則を現代の会社組織に応用すると、
時が過ぎるにつれて人は出世し、能力のある人間はどんどんと出世していくものである。人は能力以上の立場を得ることが出来ない。その結果、中間職は無能な管理職で埋め尽くされ、結果として組織は無能になる。
「必ずしもサッカーの名選手が名監督である訳がない」との話にもあるように、現場で仕事が出来る人が上司になってさっぱりと言った例も少なくありません。人を管理する訓練を受けていないので当たり前とも言えます。なので大手企業は幹部候補を選出・採用し、経営者として歩ませていくのです。
ここで怖いのは、上司無能な働き者であるが故に仕事にもその特性が出てしまうことです。
- 仕事を抱え込んで放さない
- 手柄を得ようとする
- 気がついたら、退職者が増えている
- 仕事の振り方が雑
- 締め切り意識がない
- 成果が上がらない仕事ばっかりしている
- 優柔不断、判断力が無い
一例として挙げましたが、特性から見受けられるのは、スタンドプレーを行っているような印象ですね。管理職は組織において人を動かす(管理する)立場であるのに、自覚していない人も多いかと思います。ハッキリ言って勉強不足です。
その他の、無能な働き者の上司の対処法
- 上層部、上級役職者へ嘆願・相談する
- 部下から当該上司へ問題を相談する、投げかけて判断を仰いでみる
- 上司を調教する
- 退職する
無能な上司でも上司は上司です。無視などを重ねてしまうと仕事全体に支障を来たします。問題はその無能な上司を放置している会社側の責任です。当人に改善がみられない、組織にその兆候も見られない場合は転職をお勧めします。そのような組織は会社ぐるみの風土であり、魚は頭から腐るともいいます。
部下が無能な働き者の場合はどのように対処したら良いのか?
現在の法律上、能力が乏しいからと一方的な理由で退職(クビ)にすることは出来ません
該当者へ適任の仕事を与えようにも自己判断が甚大な被害へつながることもあるので、うかつに目を離せず自身の仕事を圧迫してしまっていると思います
徹底的に基本業務の周知と反復に努めるよう教育を続けるほかありません
- 該当者の業務内容を細かくチェックする
- 報連相(ほうれんそう)を習慣化させる(する)
- 目標管理を意識させる
- 情報とコミュニケーションを密に行う
上記の事柄を徹底させるようにしましょう
入社1年生の様な事柄ですが、無能な働き者はこの1年生の様な基礎が出来ていません。まずは再教育の意味合いも込めてじっくり行いましょう
自身が環境に適応していないと感じる方は転職もオススメです
無能な働き者と揶揄されたり、こんなのばかり相手していられないと感じる方は自身の能力に応じた環境に飛び込むのも1つの手でしょう
転職サービスを活用すればご自身の能力に応じて適職をサポートしていただけます、まずは行動するのも1つの手です。
モルトケの法則と無能な働き者
無能な働き者を語るうえでモルトケの法則も外せません。
ビスマルクの部下であったモルトケの法則は、組織における部下を4つのタイプに分け、どのようなタイプの部下を重用するのか、どのような部下を引き上げるのかを考えた法則です。
上記の4つのタイプから
- 能力が高く×やる気の低い
- 能力が低く×やる気も低い
- 能力が高く×やる気が高い
- 能力が低く×やる気が高い
以上の順番で、組織に重用するべきと答えています。
この法則でも無能な働き者=能力が低いやる気のあるものは除外するべきと考えています。
ゼークトの法則とほぼ同じ意味合いになるでしょう。能力・やる気が高い人物は、上長と衝突する恐れがあるので、優先順位は低いです。現代でも大手組織が個性を抑えた人員を採用するのはこの傾向があるのですね。
まとめ
今回は「無能な働き者」という言葉に注目してみました。
多くの会社は組織であり個人プレーを行う場所ではありません。この無能な働き者である方の大きな特徴としては自己中心的な思考であり、本人は一生懸命に職務に務めています。しかしそれは他者から見るとただのつもりと言う言葉で片付けられてしまうのではないでしょうか?
チェック項目に多く当てはまる自覚のる方は、職場の同僚や周囲にほうれんそうをしっかりと行いましょう。自分は大丈夫だ!と思った方はもう一度チェック項目をゆっくりと読み返して下さい、この言葉の意味がわかると思います。
みなさま、よい社畜ライフを!