ランチェスターの法則から中小企業のビジネスを考える。

企業戦略の一つとしても知られているランチェスターの法則。この法則は中小企業にも有効なのでしょうか?プロ社畜が考えてみます。

※当ページは一部にプロモーションを含みます

ランチェスターの法則とは?

イギリスのフレデリック・ウィリアム・ランチェスターが1914年に勃発した第一次世界大戦に際し、2つの軍事的法則を考察・発表した法則といわれています。

ランチェスターの法則は戦争における戦闘員の減少度合いを数理モデルに基づいて記述した法則。軍隊の総合戦闘力は「兵数×武器の性能」で決まると言われています。

社畜モンキ
社畜モンキ

日本では軍事的法則より経営論として認知されていますね。一点突破戦略として用いられることもあります。

ランチェスター法則における第一法則と第二法則。

法則には大きく分けて2つの法則があり、それぞれの立場に合わせた戦略をとることが望ましいと考えられています。

ランチェスターの一次法則・「一騎打ちの法則」

古典的な戦闘においては武器の性能に大差はなく、個々による寄せ集めであるため戦争による戦闘員の消耗は単純に味方の人数敵の人数の一次式になるといわれています。

武器の性能×兵力数

武器による優劣がほぼないため直接的にぶつかり合う「一騎打ちの法則」とも呼ばれています。同じ人数であるならば兵力数が多いほうが有利。勝利するためには武器の性能を向上させるといったようにシンプルな法則が成り立ちます。

社畜モンキ
社畜モンキ

剣の達人は一対一には強いですが、速度の速い騎馬やリーチの長い槍や弓など、武器の性能による局面では一気に不利になってしまいます。

ランチェスターの二次法則・「集団戦法の法則」

近代的な戦闘では、戦闘員の消耗は味方の人数と敵の人数の2次式になることが示せます。

武器の性能×兵力数

銃や戦車などの先進性のある武器や兵器は騎馬や槍などに比べると広範囲を斉射することができ、先頭の局面を一気に抑えることができます。第二次法則ではこの武器の性能を持つ兵士が増えるほどその効果を増し、人数が多いほど優位に働きます。その結果、古典的な武器では全く歯が立たなくなるのです。

社畜モンキ
社畜モンキ

長篠の戦いはまさに集団戦法です。当時最強と言われてた、武田の騎馬隊を打ち崩した信長の火縄銃3段撃ち。日本史における「兵数×武器の性能」が最も現れた例かと思います。

集団戦法の法則は強者の理論としても経営に取り入られており、大手企業などは新商品投入や新ブランド設立の際に、その資本力・人員力を活かし市場シェアを獲得します。大手企業に資本力や人員力などで劣る中小企業などには勝ち目がありません。

では、ランチェスターの法則は強者による強者のための法則なのでしょうか?

ランチェスターの法則・弱者の理論

集団戦法の法則において、性能の高い武器による集団戦術が有効であると挙げました。しかし、弱者にも効果的な戦術があります。強者が苦手とする接近戦・局地戦に持ち込むことが有効です。

強者の武器の性能が高くても、一対一の接近戦においては、その性能を上回ることができることもあります。弱者は強者を真似る戦略をとるのではなく、自身が得意とする範囲で勝利をすることが望ましいとされています。

社畜モンキ
社畜モンキ

日本史における弱者の戦略を挙げるとすれば、真田対徳川の上田城の戦いではないでしょうか?10倍近い徳川の兵を得意な籠城戦で撃退する真田。弱者の御手本のような見事な戦(いくさ)でした。

ランチェスターの法則から中小企業がとるべき戦略

中小企業は大手企業に比べて資本力・人材面でも劣ります。いわゆる弱者にあてはまり、自身が得意な武器の性能を高め得意な接近戦に持ち込む事で勝機が見えてきます。

競争地位の4類型(リーダー、チャレンジャー、ニッチャー、フォロワー)

業界トップの大手企業は自身の資源や人材面を最大限活用したリーダー戦略をとります。大量生産やブランド力の高い展開を行うため、規模の経済が働き、低コストで高品質な商品・サービス展開が行えます。中小企業はそれらの戦略を真似するのではなく、大手企業がまねできないニッチなサービス展開を用いて、業界や自身の商圏認知度を高めていく必要があります。

差別化戦略の過去ブログはこちら

中小企業の戦略例

コーヒー豆の差別化戦略

自宅で楽しむコーヒー豆。大手コーヒーメーカーのコーヒー豆はあらゆるスーパーや量販店に安価で置かれています。一方、中小企業であるコーヒー販売店は大手と差別化するために、スペシャルティコーヒーなど最高品質のコーヒー豆を自家焙煎して店頭販売するなど、大手とは異なった差別化戦略を行っています。少し高くても新鮮でおいしいコーヒーを飲みたいという顧客に支持されています。

社畜モンキ
社畜モンキ

どうせ飲むならおいしいコーヒーが飲みたいですよね。焙煎したてのコーヒーは胸やけも起こさないので、私もよくお店に足を運んでいます。胸やけするコーヒーは豆の酸化が進み、古くなってしまっているのです。

お弁当屋さんの差別化戦略

お昼時になるとお弁当を買いにスーパーやコンビニへ出かける人も少なくありません。大手コンビニなどは専門のマーケッターの分析と商品開発班の試行錯誤、季節商品やイベントの大掛かりなCMを駆使して日々顧客を飽きさせない工夫づくりをしています。一方、コンビニ近くに毎日お客さんが絶えない繁盛するお弁当屋さんが存在します。そのお弁当屋さんはおかずを一から手作りをしており、毎日日替わりで献立やメニューを考えて提供するとともに、顧客の好き嫌いなど細かな要望に応えています。お弁当屋さんはコンビニより2割ほど高い価格帯ですが、豊富なおかずの種類がコスパがいいと大人気。日々口コミでお客さんが増えていきます。

社畜モンキ
社畜モンキ

私の毎日行くお弁当屋さんをモデルに挙げてみました。毎日お魚をさばいて調理してくれています。いつも顔を出すとご飯を大盛りにしてくださるのでありがたいです。

まとめ

ランチェスターの法則は企業戦略としても認知されており、「勝てる分野で勝つ」「一点突破戦略」としてもよく用いられています。広く浅くが得意な大手企業でも細かいニーズを拾いきることはできず、大手企業が苦手としているニッチ(隙間)なニーズを拾い自身の得意とする分野として育てていくことでビジネスの商機をつかみます。

まさに一芸に秀でるとの考え方で、戦国武将の長曾我部元親の名言「一芸に熟達せよ多芸を欲張るものは巧みならず」に通じるものがありますね。

ブログ運営も大手(人気ブロガーさん)には到底かなわないので、自身の分野(社畜ネタ)を上げていこうと思います。

それでは皆様よい社畜ライフを!

にほんブログ村 経営ブログへにほんブログ村 経営ブログ 経営情報へにほんブログ村 サラリーマン日記ブログへにほんブログ村 サラリーマン日記ブログ がんばるサラリーマンへ