会社や組織は多様な個人の集団によって構成されていますが、個人が複数人集まると集団ならではの力が働きます。組織運営に欠かせないこの集団の力を解説してみましょう。
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フォーマル組織とインフォーマル組織
経営や職場組織において2つの組織形態があります。
- フォーマル組織(公式組織)
公に認められた組織であり、ルールに基づいて編成されている。仕事のやり方や規則によって明示されており、組織目標の達成が重視されている。
- インフォーマル組織(非公式組織)
フォーマル組織の中に自然発生的に生まれた集団である。人間的な情緒性や個性の触れ合いを通じて人格的に参加できる準拠集団の事。仲間同士の心理的に安定できる貴重な場となる。
中々聞き慣れない言葉かも知れませんがフォーマル組織は会社・部署、一方インフォーマル組織は同じ部署内のカラオケ仲間と言った解釈ですね。
コンクリフトの発生
個人が集まると集団となり不可避的にコンクリフト(葛藤)が生じます。コンクリフトには否定的な印象が大きいですが、同時に組織内に様々な意見・見解が生じていると解釈することも出来ます。
これらの存在は組織の活性化や、新しい価値観の創造に貢献することもあるため、積極的に活用されるように組織管理を有効的に運用していく事が望まれています。
コンクリフトの解消には限界がありますが、解消するためのマネジメントとして
- 競争:自身の利益にこだわり、競い合います。
- 和解:自身の利益を相手に譲ります。
- 回避:表立った衝突を避けるようにします。
- 妥協:双方に適当なところで折り合いをつけます
- 協力:双方に利益が最大限になる解決策を働きかます
上記のような解決方法を取られることもあります
仕事の方向性での意見衝突や、ライバル同士の競争は組織にプラスの効果を与えることもあります。フォーマル組織内で発生したコンクリフトをカラオケ仲間(インフォーマル組織)と歌って発散する。組織は持ちつ持たれつでなんとかなってる事が多いですね。
リッカートの連結ピンモデル
主にフオーマル組織において、組織は少人数の職場集団の集合であると捉えることが出来ます。
この集合がそれぞれ専門化や分業化する事によって、きちんと機能し大きな集団(会社)として運営されています。この集合と大きな集団の関係性を表わすものに、リッカートの連結ピンモデルがあります。
組織運営の基本構図でもあり、各組織階層に配置される連結ピン(管理者・監督者)が、上下左右のコミュニケーションセンターとしての役割を果たすといった考え方です。
連結ピンはいわゆる係長や課長など、中間管理職がこの役割を担っているとも言えます。上層部とのコミュニケーションや現場の意思決定など、マネジメントを行う方々です。日々上と現場の板挟みで心身をすり減らしているのですね、、
グループダイナミクス
多様な個人が小集団を形成すると、独自の集団基準や集団規範が形成されます。各メンバーにその基準や規範に従うように、同調圧力が生じたりします。
集団の凝集性
集団のメンバーが互いに惹き合う程度のことであり、この惹き合う力が強いほど同調圧力や従う力が高まり、目標に対する成果が大きくなります。
凝集性を高める要因として
- メンバー同士の共有時間が長い
- 小さめの集団である
- ライバル集団の存在がある
- 新しいメンバーが入りづらい
等が上げられます
社畜モンキ
この力が大きいほど、メンバーを集団に留まらせる力が大きいと捉えられます。長い職場の盟友を差し置いて転職など、中々言い出せませんよね。
フォーマル組織・インフォーマル組織において集団の凝集性を高めることにより、集団の団結力が高まり離職率を低下させることやチームでの生産性の向上に繋がるメリットがあります。
一方で、高まった凝集性によるデメリットもあげられます
グループシンク(集団の浅慮)
集団の凝集性が高く、外部情報や関わりが欠如している時に陥りやすい(デメリット)がグループシンク(集団浅慮)です。集団の意思決定において、短絡的に意思決定が成されてしまうことを指します。
自分たちの決定を疑わなかったり、決定において時間が無い場合や、専門化の提案を正しいと思い込んでしまう。リスクなどを適切に判断・評価されることなく愚かな決定をしてしまうことです。
社畜モンキ
外部情報が遮断されると、情報が自身の持ち合わせのものだけとなり、質の悪い意思決定が成されてしまいます。目を離した会社の部下達がなぜそんな無駄な事をしているのか!?それは部下達を放置していた上司が悪いのです。(外部情報の遮断)
チームの働き
組織内のコンクリフトやグループシンクを解消する考え方としてチームがあります。
前出のグループとは多様な個人の小集団であり、チームとはある目的や目標達成を前提に多様な人材が集まることであり、協調を通してシナジー(相乗効果)が起こります。
組織の硬直化が見られた場合はチームを編成するなどして、活性化を図ると良いとされています。
まとめ
今回は組織内のコンクリフトや集団の凝集性を取り上げてみました。
組織内の硬直化は、様々なコンクリフトやグループシンクを引き起こすこととなり短中期的なデメリットを引き起こすこともあります。
しかし、集団の凝集性を上手に活用する事で帰属意識の高い組織集団を形成することが出るので、積極的にチーム編成などを行ってやる気のある組織作りを行っていきたいですね。
それではみなさま良い社畜ライフを!