企業戦略において、企業がどのような製品サービスを、どのような市場で展開していくかを決定する必要があります。今回はこの経営戦略をプロ社畜なりに解説していきます。
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アンゾフの成長マトリクス・4つの展開戦略
戦略的経営の父ともよばれているアメリカ人、イゴール・アンゾフにより唱えられた経営戦略のことです。自社の製品と対象となる市場をそれぞれ既存・新規に振り分け適切な戦略をとります。
市場浸透戦略
「市場浸透戦略」は、既存市場にすでに販売している製品やサービスを投入することです。
高校宣伝などのマーケティング手法を用いて、市場シェアの拡大と認知を拡大させ、経営目標の達成を目指します。
新市場開拓戦略
新規市場に既存製品を投入する方法であり、未開拓である市場に展開して売り上げを上げていきます。
多少の改良を含む、既存商品を用いての海外進出・展開なども含まれており、競合他社がいる場合は営業力の必要性も上げられます。
新製品開発戦略
既存市場に新製品を投入する戦略です。新しい製品やサービスを投入して、既存市場で売り上げを上げる戦略で、既存市場でのニーズやノウハウを活用した新商品展開が必要となります。競合がいる場合はいかに差別化を図るかが重要です。
多角化戦略
企業にとって新たな事業戦略を行う事であり、マーケティングコスト、ノウハウの有無、製品やサービスのコストなどがかかってきます。コストがリスクになる反面、新たな収益源の獲得が見込めるハイリスクハイリターンの戦略となります
多角化戦略の必要性
最も重要な多角化戦略を解説しましょう。
企業は経営活動を通じて余裕資源・経営スラックを蓄積していると言えます。
経営スラックとは・・・
スラックとは「たるみ」「ゆるみ」との意味であり、経営スラックとは経営を行う上で、従業員や設備などの経営資源の中で余剰となっているものを指します
この経営スラックを多角化戦略のために有効活用する事が望ましいとされています。
暇そうにしているなら草むしりでもしておけよーって事ですね。当たり前のことのように思いますね。
その他にも
- 新しい事業分野の認識
- 主力事業分野の需要の停滞
- リスクの分散
- シナジーの追求
様々な要因が上げられますが、その中でも企業利益を向上(企業として成長)して行くために、シナジーを追求していくことが重要と捉えられています。
シナジーの追求と効果
シナジーは相乗効果とも言われており、同一企業が複数の事業を行うことにより、個別に事業を行うよりも大きな成果が得られます。
シナジーを求める多角化には、既存事業と新事業の資源展開においても共通点があるため、関連多角化とも呼ばれており、既存資源を用いた多角化を展開することが望ましいとされてます。
パン屋さんが新しい商品を開発するときにパンの製造技術と原料を使って、今までに無いスイーツ・デザートを作って売り上げを上げよう!と考えることですね。
範囲の経済性
範囲の経済性とはシナジー(相乗効果)と似た考え方で、大きな違いは経済性を求める事になります。
求める経済性とは、ノウハウや資源を用いて沢山の種類の製品を作り、1製品あたりの固定費(人件費)を削減・分散させることです。
効率的な多角化戦略において範囲の経済性は重要視されております。
既存のノウハウを活用し、新規市場でシナジーを見込んだ売り上げの向上を図り、範囲の経済性で利益を確保する。企業の成長としてこれほど理想的なものはありません。でも、そうそう上手くいくものでしょうか?
事業構造再構築・リストラクチャリング
多角化を行う上で重要なのはキャッシュフローの最大化を考えることです。
しかし、多角化において全てが上手くいくわけに行かず、不採算事業の事業縮小や撤退・統廃合など余儀なくされることもあります。
成長事業や高収益事業へ経営資源を集中するとともに、ヒト、モノ、カネ、情報の集中的活用を図る事が必要です。
シナジーを見込み展開した多角化に、失敗したままでは赤字を垂れ流すこととなり、企業の存続に関わります。ここで企業は徹底した合理化のため、事業売却・M&A・リストラなどの再構築を行う事となります。
まとめ
シナジー効果による利益の向上は素晴らしいものがありますが、一方で風を読み違えるにあたり事業再構築を行う例がとても残念に思います。
特に日本のものづくりにおいて、海外資本への事業売却による技術の国外流出が著しい事。
国際競争力を落としてしまった、今日の現状をいかに改善して行くことか・・・数字だけでは表わされない問題がありそうです。
それではみなさま、良い社畜ライフを!