会社の運営や在庫管理において現状の把握とともに分析を行う代表的なツールの1つ。今回はこの分析を解説いたします。
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パレートの法則とは
イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見した統計モデルの1つ。全体の数値の大部分は全体の一部分が生み出していることを示す法則です。
- 売利上げ金額の80%の金額は20%の顧客が生み出している
- トラブルの8割は、2割の重複した原因がある
- 納税額の8割は2割の高額所得者である など
スマホゲームの課金システムなどもこのパレートの法則の下に成り立っています。2割のヘビーユーザーのおかげで、無料でゲームを楽しむ事が出来るユーザーが参加できているわけですね。
ABC分析とは?
ABC分析とは売上高やコスト、在庫などの指標に順位をつけ大きいものから並べ、優先順位を管理するためのフレームワークです。在庫管理を効率化するために、全体に対して大きく影響を与える要因を絞り込む事を重点管理とも言ます。
グループA・・・売り上げ金額上位80%・在庫の品目は少ないが高回転のために欠品に注意する。
グループB・・・売り上げ金額上位20~50%、在庫の品目数はほどほど
グループC・・・売り上げ金額残り50%、在庫の品目数は多いがそれぞれの在庫数は少ない
パレートの法則は80:20の法則とも呼ばれており、回転率が高いものは少ない品目で多くの在庫を持ちます。グループCにも役割があり、ネットショップではロングテール戦略として効果を発揮します。
在庫管理の効率化とありますが、在庫を管理するに当たりどのような問題が発生するのでしょうか?
在庫管理の目的
企業経営の円滑な運営と経済効率の両面から製品等の在庫を適正に維持することが必要となります。この在庫は多すぎても少なすぎても問題が発生してしまいます。
在庫が多すぎる場合の問題点
- 運転資金の硬直化・固定化・・・キャッシュフローの悪化
- 在庫関連費用の増加・・・固定費(倉庫代や家賃代)、借入金の金利、人件費(管理費)
- 市場対応力や柔軟性の低下・・・旧モデル等による顧客への対応力の低下
在庫が少なすぎる場合の問題点
- 品切れによる機会損失の発生・・・在庫が少ないと機会損失(機会ロス)の恐れがあります。度重なる機会損失は顧客の信用低下を招きます。
- 在庫の緊急調達によるコスト負担・・・緊急発注・調達はイレギュラーな対応のため送料等のコストが増える恐れがあり割高となる。
在庫管理を適正に保つためにも在庫のABC分析を行い、適切な管理を行う必要があるのですね。在庫管理を行うための発注方式にはどのようなものがあるのでしょうか?
発注方式
定量発注方式
定量発注方式とは
発注時期になるとあらかじめ定められた一定量を発注する在庫管理方式
と定義されています
- 安全在庫・・・在庫消費量の変動による在庫切れに備えるために多めに保有する在庫
- 発注点・・・発注を促す在庫量。発注点を下回った際に注文をする事が望まれる
- 経済的発注量・・・発注費用と在庫量を考慮した数量。多くても少なくても負担が大きくなる
一度設定すると運営・運用が行いやすく反面、需要が読めない場合には欠品の恐れが出てしまうなど需要変動を主とする形態には不向きです。
定期発注方式
定期発注方式は
あらかじめ定められた発注間隔で、発注量を発注ごとに決めて発注する在庫管理方式
と定義されています
- 発注サイクルを考慮した発注量を発注のたびに決定する
- サイクル期間内の需要予測精度が高まれば適切な在庫量を算出することができる
- 管理がやや複雑な場合が多く、習熟度が必要な場合がある
季節需要が大きいアイテムなどはこの定期注文方式を採用する場合が多いです。需要に応じた注文量で対応できる点がメリットであります
過剰在庫のデメリット
発注を上手く行えずに在庫を抱えてしまうとどうなるのでしょうか?
需要の予測が甘かったり、適切な在庫量の把握ができていない場合、在庫を抱えることとなります。在庫とは企業の資産であり、お金がモノに形を変えているだけなのです。
資産は商品の原資であり、その他(従業員の給料や家賃などの支払い)の原資でもあります。資産が商品のままだと経営を圧迫する結果となるため、適切な発注点の設定と在庫管理は大切です。
中小企業にはどんぶり勘定でこの在庫管理を行っている企業も多いのでは?適切な設定と管理を行うだけで驚くほどキャッシュフローが安定します。
まとめ
今回はABC分析から商品の在庫管理を取り上げてみました
アパレル関係の販売店は季節性の需要変動に大きく影響を受ける業界でもあります。早いタイミングでのクリアランスセールは季節ものを売り尽くしてキャッシュを回しているのですね。
2020年の新型コロナウィルスはこの需要が世界的に大きく喪失した反面、一気に起きた需要反動により物価高となっております。
これらの予測変動を上手に行えるプロフェッショナルの存在がキーマンとなっていくのかも知れませんね
それではみなさま良い社畜ライフを!