社会活動を行う上で耳にする「コーポレートガバナンス」。その言葉の意味を知っているようであまり知らない、プロ社畜が解説いたします。
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コーポレートガバナンスとは
良く耳にするけれどあまり意味のわからない、コーポレートガバナンスとは
企業の経営者による経営・マネジメント活動が適切に行われているかをチェックする制度
企業は多様な利害関係者の相互作用のうえに成り立っているオープンシステムです。 それらをまとめる上で企業統治とも呼ばれており、利害関係者視点で事を運びます。
会社を私的利用すると利益が少なくなり、従業員や株主への分配正しく行われなくなります。株式会社の所有者は株主であり、株主が直接経営を行うわけではなく、株主による委任を受けた取締役が会社の運営を行っております。
コーポレートガバナンスの機能
会社の運営を行う取締役ですが、経営陣の任免機能と牽制機能を株主に変わって、有していると言えます。
任免機能・・・役目をつけることと辞めさせること
つまり、社長一人に全権限を持たせてしまうと、会社の私物化が起こる恐れがあり、取締役会は利害関係者の調整を行う役割も果たしております。3名以上の取締役会によって業務執行の意思決定が行われております。
会社の最高機関である取締役会では、業務執行の決定に加えて、重要な使用人の選定や代表取締役の選任・解任、株式など会社の運営に関わることを取り決めます。特に重要な事項は株主総会での決議が必要となります。
中小企業の場合
規模の小さな中小企業などでは、株主=社長(取締役)の場合も多く、会社を私物化する事も少なくありません。
必要以上に高価な車や、見栄えのよいマンションなど、その多くを会社の経費でまかなっている経営者もいます。この際、取締役会は親族であることが多く、利害関係者の調整をうまく行えているとは言いがたい現状もあります。
毎日サビ残で休みも無いあげく、ボーナスも少ない。なのに社長がベンツに乗っていたら・・・車を買い換えたら・・・働くモチベーションが生まれませんよね。
日本とアメリカのコーポレートガバナンスの比較点
コーポレートガバナンスは国や慣習・法律によって大きく影響を受けます。
役員報酬はかねてより、海外は加点式・日本は減点式とも言われております。海外の有名CEOは驚くほどの年収で、日本の大手企業社長と比べて十数倍の報酬を獲得している例も珍しくありません。その分、結果(実績)を残しているとも言えますね。
所有と経営の分離
会社は株主の出資と株主により任命された経営層により運営されていることがわかりました。
この企業規模が小さいうちは、大株主である大口出資者によって、経営されることが多いです。次第に株式の分散と企業の大規模化が進み、企業経営の複雑性が増すようになります
経営の複雑性が増すと専門経営者が経営に携わるようになり、大株主は重要な意思決定においてのみ参加するようになります
所有と経営の分離とは
株式会社の所有者である株主と経営者が人格的に分離すること
を指します
自分で立ち上げた会社なので創業期は自分の会社と呼べるでしょう。しかし、会社が大きくなるにつれて、資本調達の必要性が生じてきます。大会社になると多くの資本が必要となるため、出資比率が下がり発言権が弱まる。結果として経営層は経営に専念(支配)できる=所有と経営の分離が起こるというわけですね
まとめ
第二次世界大戦前は多くの主要産業を財閥が牛耳っていたため「所有と経営が一致」していたと言われます。一致している状態では経営層は出資者(オーナー)の傀儡となり、正しい意思決定が行われません。
日本の99.7%を占める中小企業の中には、オーナ自身が成長を望まない企業もおられます。
世界経済・世界成長率が上昇する中、成長を望まないということは、経済活動の相対的な下降・衰退を暗に示しているのではないでしょうか?
その点においてもコーポレートガバナンスのあり方は企業経営においても大切な事かと思います
それではみなさま、良い社畜ライフを!