販売業の方など共感できる方は多くおられると思います。クレーム等の際に「客は偉い」と申し出る人がいますが、今回はなぜ客はそのようなことを口にするのか、少し考えてみます。
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モンスターカスタマー?カスハラ?お客様はそんなに偉いのか?
顧客はそんなに偉いのか?
最近では「カスタマーハラスメント」や「モンスターカスタマー」との言葉も珍しくありません。
まるで言いがかりのように接客対応の不満をクレームとして主張したり、説教を始めたりする顧客も中にはいます。
そのような方から出てくる言葉は「俺は客だから偉い」「店員が謝るのが当然だ」と、理不尽な要求を申し出てくることも少なくありません。
このような顧客が本当に偉いのか?
少し考えてみましょう
サービスとは一体何か?
そもそもサービスとは何でしょうか?
フィリップ・コトラーによると
サービスとは、形のあるものや販売のために行われる活動や提供される利益や便宜のことです。本質的に無形で、長期的に所有されることはありません。経験、人、場所、組織、情報、アイデアといったものも製品に含まれます。
サービスとは企業側(提供者)が顧客の要求に応える形で、提供の見返りに対価を得ています
※パンを食べたい・購入したい(要求) → パンを提供する対価として金銭を得る。
モノだけではなく、エステや美容室なども無形物のサービスであり、顧客の要求に無形物を提供し対価を得ています。
※髪を整えて欲しい(要求) → 髪を整える対価として金銭を得る。
つまり、 世の中の提供者はサービス(有形物・無形物)を提供する代わりに、金銭を得ます。ここに売買契約が成立し、経済活動はこのサービス(ギブアンドテイク)の総和となります。
ちなみに国民総生産であるGDPは、日本国内で一定期間内に生み出されたサービス(有形物・無形物)のことです。一般的には付加価値と呼ばれています。プロ社畜豆知識でした。
要求に対して応えること(提供すること)がギブアンドテイクであり、本来ならば対等の関係で良いはずです。
GIVE=TAKE
お客が偉いと考えている顧客はどのような心理を元に要求をしているのでしょうか?考えてみましょう。
顧客クレーム・迷惑クレームの内容と実態
図よりクレーム内容は
- サービスの品質
- サービス内容
- 接客態度
上位3つを占めます
クレーム自体には品質の改善やサービス・待遇の改善改良に繋がるものも多く、企業にとってプラスに働くことも多いです。その一方、クレームの内容が余りに自己本位であり、従業員を対象とした暴力的な言葉を放ってくる顧客もいます。今この暴力的なクレーム(迷惑クレーム)が問題となっています。
3つは常識の範囲では理解できそうですね。購入した製品の耐久性が低い・すぐ壊れる、購入したモノと色が全く違うなど形がある物はわかりやすいです。一方で無形物のクレームがとても厄介。いわゆる迷惑クレームもこの中に入っているのではないでしょうか?
迷惑クレームは小売り・サービス業が比率として高く、従業員規模が大きい企業いわゆるチェーン店に多い事がわかります。
迷惑クレームとは
迷惑クレームとは顧客から受ける過度なクレームや嫌がらせ、恫喝に近い理不尽な対応要求などはカスタマーハラスメント(カスハラ)とも呼ばれています。
机を叩いて従業員を恫喝するなど悪質なカスハラは犯罪行為です。
恐喝や脅迫・強要罪や意欲業務妨害罪が適用される場合もあります。そこまで行かずとも、顧客からの理不尽な要求や恫喝により、従業員が辞めてしまうなど人材不足の現場では深刻な問題です。
やっと採用した学生バイトさんが顧客の理不尽な要求(迷惑クレーム)により、いきなりバイトに来なくなりシフトに穴が空いた、、、と困ったことありませんか?
アルバイトさん1人雇うにもコチラは経費がかかってますから、たまったもんじゃありません。
お客様は神様です。
「お客様は神様です。」この言葉がそもそもの勘違いの元かも知れません。
昭和を代表する演歌歌手の三波春夫さんの言葉としても知られています。一方でこの言葉が認知されている世代によって、「顧客は提供者より偉い」とまかり通っているのではないでしょうか?
「顧客を神様のように敬って扱え」との認識を持った方が、金銭を与えてやっているのだからもてなされて当然だ!自分の言ってることは神様だから偉い・尊いのだと思うのです。
このような顧客は
GIVE>TAKE
となっています。
顧客モラルの低下や提供者がストレスのはけ口に利用されていることが多く、その被害は深刻なものとなってます。
セルフサービスのお店で商品を席まで運べ!、お客様に対して口の利き方がおかしい!、料理がまずいカネを返せ!など、低価格で提供しているチェーン店などにこのようなクレームは多いかと思います。特定の顧客だけを融通するわけにいかないので料理を運ぶだけでも人件費がかかり価格に転嫁せざるを得ません!
増える高齢者クレーマーとその心理、シルバーモンスターとは?
高齢化社会が進むにつれ、近年は「シルバーモンスター」に悩まされる現場が増えています。通常の接客対応の中、いきなり態度が豹変したり高圧的な態度を取ったりとその対応に頭を悩ませる現場は増加傾向にあります。
シルバーモンスターの特徴
シルバーモンスターとは高齢者の理不尽なクレーマーを総称して呼ぶことも多く、その多くは定年退職後であったり、現役を引退された高齢者に当たるとも言われています。
そのクレーム内容の特徴として以下の事柄が挙げられます
- クレーム内容が些細な事柄である
- 自分の事しか考えていないような、頑固な態度をとる
- 感情的な態度を表わす
- わがままを通そうとする など
シルバーモンスターは「自身の主張」を通そうとし、思い通りに行かないときにプッツンと切れた態度を取ります。自分より年齢の若い者や立場の低い者へこの態度を取ることが多く見受けられます。
シルバーモンスターの心理
そのような高齢者の背景から、老後の「孤独感」「承認欲求」などが垣間見られます。自身が社会から疎外されているような考えを持っていたり、現役時代は高等管理職であったためそのプライドのまま「若い者に教えてやっているんだ」の正義感であったりとその心理は様々です。
社会との接点が薄まるにつれてこの傾向は大きくなっていくのかも知れません。言いたいだけのクレーマーも中には一定数います。そのような顧客には心の中でハイハイとやり過ごすのも1つの手ですね。
シルバーモンスターや迷惑クレームへの対応方法
このような迷惑クレームに対応するためには、日頃から従業員の対応をマニュアル化し、周知するようにしましょう。
- クレームには1人で対応しない。上司(現場管理者)にSOSを求める。
- クレーム情報を共有する
- クレーム対応マニュアルの作成
- 迷惑クレーム対応の外部相談先(警察等の行政窓口・弁護士等)を確認しておく、など
このような迷惑クレームは若い学生さんやパートさんなど立場的に弱い人物が狙われます。従業員さんを守るためにも上層部への情報伝達と外部相談先の確認をしっかり行っておきましょう。
まとめ
迷惑クレームのほとんどは顧客のわがままです。しかしそのわがままだけでは済まされず、実害を被ることもしばしばあります。
わがままのためにマイナス効果が発生しており、提供側にとっては深刻な問題です。そのような顧客には毅然とした態度を取り、他の顧客のためにも今後の利用を拒否する姿勢を取ることが必要であると言えます。
シルバーモンスターには感情的に対応するのではなく毅然とした対応を取り、何度も繰り返される暴言を受けた場合は受けた日にち、受けた内容を記録に取るだけで証拠になります。
私自身対応してきたクレームはそのほとんどが自身のわがままを通そうとする内容でした。感情的にぷっつんと対応された際には、目の前で受けた内容の記録を取るだけで、以後姿を見せなくなった事もあります。
一方で、クレームそのものは悪ではなく提供サービスの改善に繋がる事もあり、新たなイノベーションのシードになり得る可能性もあります。
いずれにせよ、クレームを受けるのは気が休まらないですね
それではみなさま、良い社畜ライフを!