
締め切りまで間に合わない!忙しすぎて手が足りない!など、ブラック企業に人手不足はつきまといます。では人員を増やしたところで問題は解決するのでしょうか?考えてみましょう。
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ブルックスの法則とは?
ブルックスの法則とはフレデリック・ブルックスが唱えた、ソフトウェア開発におけるプロジェクトマネジメントの法則です。
遅れているプロジェクトへの追加要員は、プロジェクトをさらに遅らせるだけである

あなたの会社にも当てはまりませんか?ソフトウェア開発だけで無く様々な環境にも応用できそうです。
ブルックスの法則から考えるプロジェクトを遅らせる要因


人員を増やすと仕事が早く終わりそうな気がしますが、なぜ人員を増やすと遅れが生じてしまうのでしょうか?考えてみましょう。
投入された人員がプロジェクトに貢献するまで時間がかかる
ソフトウェア開発は複雑な作業であり、開発に参加する前に現状の把握や設計を理解しておかなければいけません。これらを理解させる為、教育を施す事も必要でさらなる人手がかかります。また、不慣れな者のミスや不手際の為に、人員の増加は短期的に見るとマイナスとなります。
つまり
忙しい時に人を増やすな!教える暇がないねん!
の一言になります。

経営者の中には、ただ人を増やせばいいという考えの人もいます。人を使い捨てる傾向にある、ブラック企業や中小企業にはこの傾向が特に見られます。
コミュニケーションコストの増加
プロジェクトを進めるためにはチームが協力して難局を乗り切らなければいけません。そのような状況において、増員した人員に対してコミュニケーションコストが現メンバーにのしかかります。全くの新人では右も左もわからず、コミュニケーションコストは投入されたコスト(人員)の2乗かかるとも言われています。

上司や経営者は人を投入すれば良いと思っている人も少なくありません。人と人なので相性の問題やコンクリフト(葛藤)が生じることもあります。
ものごとには限界がある
作業には手分けして効率の良い作業と手分けのできない作業があります。複雑なタスクにおいて、ベテランが忙しいのに新人が暇そうにしている事もあります。このような場合もコンクリフトなどが起こり、結果としてプロジェクトの遅延に繋がります。

ソフトウェア開発において不慣れな人員の増加はチームの混乱を招き、結果としてさらなる遅れが生じてくるのですね。増員しところで解決しない問題でもあるので、計画の見直しが必要となります。
コミュニケーションコストとは?
ここで気になる言葉が出てきました。
「コミュニケーションコスト」とは一体どのような事を指すのでしょうか?
コミュニケーションとは
- 社会生活を営む人間の間で行われる知覚・感情・思考の伝達。
- 人間と人間の間で、意志の疎通が行われたり、互いに理解し合うことが起きたりして、はじめてコミュニケーションが成立した、といった解釈もある。
引用元:Wikipedia
つまり、コミュニケーションコストとは意思の疎通や互いの理解に発生するコストとも捉えられ、
コストが高い=意思疎通が取れない(取りづらい)
と表わすことが出来ます。

単純に人員が増えるとチームをまとめるためにコストは上昇します。新人や不慣れな人がいるとチーム全体の意思疎通が鈍くなります。ブルックスの法則が指すコストが高い人とはどのような人のことでしょうか?
コミュニケーションコストが高い人
コミュニケーションが意思疎通である以上、仕事内容を相手に理解してもらう必要があります。しかしチームに加わったばかりの人がコストが高くなるのはもちろん、中には意思疎通自体が上手く取れない人、業見指示を上手に理解できない人も見受けられます。このような人などとの意思疎通はコミュニケーションコストが高いと言わざるをえません。

コミュニケーションコストが高い人を抱えると、チーム内の他メンバーがフォローに回るため生産性が落ちてしまいます。ここでコミュニケーションコストが高いというパワーワードが出てきました!このような人にはどんな特徴があるのでしょうか?
コミュニケーションコストが高い人の特徴
- プロジェクトに参加したての人
- 話の理解力が低く一度で物事を理解しない・できない
- 毎回1から10までの説明を必要とする。
- 10まで説明しているのに行動に移せない。
- 行動に移した後も目を離せない。
- 自己解釈を行うが過った判断を行いがち。
- 自身の立場を理解していない発言をしがち。

1番目はともかく以下は全く別の要因になりそうですね。人手が足りないから・・・と誰これかまわずに増員すると、チームや現場の悪循環となってしまうのです。
ブルックスの法則からみるブラック企業の人手不足問題
ブラック企業の特徴に
- 長時間労働、労働時間が長い
- 残業代が出ない
- ハラスメントが横行している
- 休みが少ない、有給が存在しない!?
など
ブラック企業は労働条件の悪さで、人材が定着しない・新入社員が入社しないが循環しており、常に人手不足です。このような会社は新卒や中途採用者などにかまわず、人手不足だからとすぐに現場へ投入する傾向があります。

プロジェクトが遅れているのは人員が不足しているからだ!とすぐ人員募集する社長もいます。
いくら能力の高い人材であっても、人手不足の忙しい現場へ投入されると、ろくに仕事を教えてもらう事も出来ず、辞めていく人も多く見受けられます。
これらの現場にはブルックスの法則が働いているとも言えるでしょう

ろくな選考もせず、採用した人材がコミュニケーションコストが高い人材であることも少なくありません。現場は余計に悪循環に陥りとても苦労します。
ブラック企業のブルックスの法則への対策
- 現場の理解と計画の見直し
- 情報共有の時間を設ける
- プロジェクトの細分化と引き継ぎ(上部)
など
大切な事はどのような理由でプロジェクトが遅延を起こしているのか?をしっかりと探ることです。プロジェクト現場の人物へのヒアリングをしっかりと行う事。その上で作業計画の見直しを行うなど、解決策を講じる事が必要とされます。

結局は「社長が使えない人を入れてきたから、周りが面倒を見る羽目になって、プロジェクトが遅延している」という理由も多そうですね。少なくとも私の環境はまさにコレです・・はい。
まとめ
今回はブルックスの法則を取り上げました。
ブルックスの法則は聞き慣れない言葉かも知れませんが、会社組織において良く発生しています。とくにワンマン社長やブラックな中小企業では慢性化しているのかも知れません。
人手不足であることが悪循環を招き、放置することや強く介入することでさらなるコンクリフトの元となってしまいます
忙しい事は良いことかも知れませんが、全く余裕のない忙しさはギスギスしてしまい、楽しく仕事もできませんね。大切なのはなぜブラックであるかをしっかりと見直し、根本的な環境の改善を行う事が大切なのかも知れませんね。
それではみなさま良い社畜ライフを!



