黒田官兵衛の水五訓に学ぶ、新人のためのビジネスマインド術。

戦国武将の名言にビジネスを学ぶ、ビジネス用語解説ブログ。今回は影の天下人ともいわれる黒田官兵衛の水五訓を取り上げてみましょう。

※当ページは一部にプロモーションを含みます

黒田官兵衛とは?

黒田官兵衛は播磨の小寺家の家老・黒田職隆の嫡男として誕生し、当時の羽柴秀吉に仕え、播磨の平定と織田軍の中国侵攻において尽力した人物。また、その後の秀吉を天下人へと推し進めた人物としても有名です。

黒田孝高(黒田官兵衛)
社畜モンキ
社畜モンキ

この人なくては豊臣秀吉の天下もなかったでしょう。私プロ社畜が最も尊敬する、戦国武将の一人でもあります。

黒田官兵衛の過去ブログはこちら。

黒田官兵衛の水五訓とは?

天下を治めた秀吉が朝鮮へ出兵した文禄の役にて事件が起こります。秀吉が画策した晋州城攻略計画に反対し、説得を試みるために官兵衛は帰国します。秀吉からは軍令に従わずに戦線を離脱したと見なされ、立場が危ぶまれてしまうのでした。

死罪を覚悟した官兵衛は剃髪し、如水軒円清と名を改めます。上善は水のごとしと、自身の姿勢を表わし、以後は黒田如水として皆に改めて知られるようになったのです。

社畜モンキ
社畜モンキ

天下取り以降、官兵衛を良く思わない石田三成らとの確執により、官兵衛の立場はどんどんと悪くなる一方でした。

この如水として自身の姿勢を表わしたものが水五訓とされています。

黒田官兵衛の水五訓

  • 自ら活動して他を動かしむるは水なり
  • 常に己の進路を求めて止まざるは水なり
  • 障害に遭いてその勢力を百倍するは水なり
  • 自ら潔くして他の汚れを洗い清濁併せて容るるの量あるは水なり
  • 洋として大海を充し、発しては蒸気となり雪に変し霰と化し凝りては玲瓏たる鏡となり而もその性を失わさるは水なり

自ら活動して他を動かしむるは水なり

自ら活動して他を動かしむるは水なり。水五訓に学ぶ

まず、自分自身が率先して動くことを示しています。水はそのものが動くことによって流れとなっていきます。どんな大河も始まりは一滴の水から。現代のビジネスにおいても、自身がリーダーシップを示す、その姿勢を表わさなければいけません。

常に己の進路を求めて止まざるは水なり

常に己の進路を求めて止まざるは水なり。水五訓に学ぶ。

水は動くことによって流れを作ります。流れ続ける水は、その動きの中で自身の道筋を定めていきます。現代のビジネスにおいても、自身の動きが未来を拓き・後世の道筋になる様に、常に自身の方向性を求めて動き続けることが重要です。その際、何かトラブルやミスが生じても、他責することのないように懸命に努めなければいけません。

障害に遭いてその勢力を百倍するは水なり

障害に遭いてその勢力を百倍するは水なり。水五訓に学ぶ

何事も順調にいくはずがありません。ビジネスにおいてもつまずいたり、ミスをしたり、納期が急に早まるなど何かしらあるはずです。そんな時こそ自分の力を蓄えるときです。水はたまると重みを増します。たまった水の重みは大きなエネルギーとなります。今の状況がトラブルなどで八方ふさがりでも、今できることを懸命に行えば、自身のスキルになり身に付きます。ピンチこそチャンスです。

自ら潔くして他の汚れを洗い清濁併せて容るるの量あるは水なり

自ら潔くして他の汚れを洗い清濁併せて容るるの量あるは水なり. 水五訓に学ぶ。

水は水を拒絶しません。どのような水でも集まり、重みを増します。現代のビジネスや社会・組織においては、人が主となります。人にはそれぞれ性格があり、相性があります。多様性を理解し合うことで、組織や社会において重みを増し、大きな成果を上げることにつながります。ダイバーシティを発揮し、イノベーションの原資としていくことが求められます。

洋として大海を充し、発しては蒸気となり雪に変し霰と化し凝りては玲瓏たる鏡となり而もその性を失わさるは水なり

洋として大海を充し、発しては蒸気となり雪に変し霰と化し凝りては玲瓏たる鏡となり而もその性を失わさるは水なり。水五訓に学ぶ。

冬の水は凍り、夏の水は雨となって降り注ぎます。水は季節や器によって形や姿を変えますが、その本質は変わりません。ビジネスにおいても環境の変化やトラブルにおいて、柔軟に対応することが望まれますが、自分自身の信念を犠牲にすることはありません。他人に流されすぎずに、芯を定める生き方を心がけましょう。

社畜モンキ
社畜モンキ

官兵衛の水五訓の考え方の根幹には、上善水の如しがあります。言い訳もせず、死を覚悟した官兵衛の生き様そのものでした。

上善水の如しとは?

上善水の如しとは、中国の哲学者でもある「老子」の思想です。水はさらさらと高いところから低いところへと自然に流れるように、どんな器にも収まる、決まった形を持たないものであると諭しています。

知識や学問などは争いを招く原因であると考え、欲などは捨てて、水のように自然体であることが、望ましい生き方であると説いた人物でもあります。

官兵衛は幼少の頃より、古代中国の学問や戦術に精通しており、秀吉はそんな官兵衛の能力や人望に妬ましさと恐怖を感じていたとも言われています。そんな秀吉を傍で見続けていた、官兵衛だったからこそ、この考え方に繋がるものがある様に思います。

新入社員・新人のためのビジネス水五訓

ビジネス新人の方へ向けた水五訓を考えてみましょう。

リーダーシップを発揮する

自ら活動して他を浮かしむるは水なり。

同年代の仲間や職場の同僚の間でも、自身が先頭となり仲間を率いることで、リーダーシップ力を養うことが出来ます。特にビジネスの現場おいては、リーダーシップが重要視される場面も少なくなく、入社したなりの新人の頃より発揮する・養うことが大切です。

自分自身のやりたいことを尽くす

常に己の進路を求めて止まざるは水なり。

ビジネスの現場・職場において、今現在行っている仕事の多くは、先輩からの引継ぎや過去の営業開拓の成果です。自分自身ができる人間である、このような過信や慢心は捨て、日々の業務に励みましょう。業務やトラブル時でも先輩や上司に常に報連相を行い、自身の能力の向上や経験の蓄積に努めるようにしましょう。

ミスをミスで終わらせないPDCA

障害に遭いてその勢力を百倍するは水なり。

どんな優秀な人間でもミスはします。大切なことは、そのミスから何を学び、何に活かすかということです。PDCAサイクルをきちんと回し、自身のミスは何が原因か、どのようにすれば対策が出来たかを検証することが大切です。新人時代からこのサイクルを行う癖を身につけ、きちんと原因を検証することで、複合的な要因が問題であっても答えを導き出せるようになるはずです。

価値観を許容する、多様性を受け入れる考えを育む

自ら潔くして他の汚れを洗い清濁併せて容るるの量あるは水なり。

十人十色の言葉にある様に、人の考えはそれぞれです。新人時代に仲が良い同僚も、それぞれの信念が育つと価値観のズレに衝突することもあります。大切なことはそれらの同僚を許容し、考えを尊重することです。衝突を嫌がり避けることは、尊重することから逃げていると同義であると考えます。逃げ癖はつけないようにしましょう。

自分自身の仕事にプライドと信念を持つ

夢を持って入社をした後に、現実の仕事内容とのギャップに苛まれることがあるかもしれません。思っていた仕事と違うことに、やる気がなくなる・モチベーションが上がらないといったこともあるでしょう。しかし、できる上司や輝いて見える先輩も始めは新人です。仕事の本質や面白さを理解する前に腐ってしまうのはもったいないように思います。まずは自身の仕事で一番になる様に心がけましょう。一番である自身や誇りが、良い意味でのプライド・信念に育っていくように思います。

社畜モンキ
社畜モンキ

新人のころはガムシャラ仕事をこなすことも大切ですが、考え方に信念を育むことも大切であるように思います。

まとめ

黒田官兵衛の水五訓は自然体であることが大切であると説いています。信長亡き後、秀吉と官兵衛はともに天下を目指し、時代を駆け抜けていきました。秀吉の晩年には、互いの行き違いがあったものの、決してお互いに見放すことはしない間柄であったように思います。

官兵衛は自身の行いに背くこともなく、ただ素直に、水五訓のように自然体に努めを果たしていたのでしょう。私たちも日々の業務に関しても背伸びをすることなく、一日を懸命に努めることが大切である様に思います。

それでは皆様、よい社畜ライフを。

にほんブログ村 歴史ブログ 戦国時代へにほんブログ村 歴史ブログへにほんブログ村 サラリーマン日記ブログ がんばるサラリーマンへにほんブログ村 経営ブログへにほんブログ村 サラリーマン日記ブログへ