企業の経営戦略の1つであるコア・コンピタンスとVRIO分析。今回はこれらの解説を行います
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コア・コンピタンスとは何か?
コアコンピタンスとは
企業の得意分野のことであり、他社ではマネできない企業の「核」となる能力のこと。
企業とは経営資源の集合体であるともいえます。組織内のマネージャーはこれらを最大限に活用することが重要です。企業ごとに有している経営資源は異なり、この経営資源をベースに企業は競争優位を構築しますコア・コンピタンスとは他社にマネできない中枢能力の事であり、独自性を生み出す組織能力・模範困難性が高い事,これらを軸とした事業展開を用いる事で企業は事業優位性を引き出すことができます。
コンピタンス日本語で能力、いわゆる企業の「強み」であるとも言えます。他社にマネできない強みを持ち合わせていれば有利・優位性が強くなる。強い優位性は企業において大きな武器となります。
コアコンピタンスが中枢となる経営資源であることに対し、ケイパビリティは企業の組織的な能力を指します。強い組織力も優位性や模範困難性を示す事が出来ます。
ソリース・ベースド・ビュー
コア・コンピタンスの経営理論にソリース・ベースド・ビュー戦略があります
企業の経営資源(内部資源)に付加価値を見いだすことによって、他の企業による模範や複製を困難にさせ、企業の競争優位性を引き出す・獲得する企業(経営)戦略の事
なんだか、難しい専門用語が出てきまますね、、どういうことなのでしょうか?
つまり
他社にマネできない中核的能力(コア・コンピタンス)を
競争優位の源泉として捉え、(圧倒的)優位性を図る戦略のことです
この優位性を図るために2つの事柄を考えます
- 企業がその内部に有する資源からいかに強みを引き出し、競争優位を戦略として捉えるか
- 一点や一時的な企業の優位性よりも、長期にわたって維持できる(持続的な)競争優位性に注目する
これら企業の優位性を確認するためにVRIO戦略を用いるのですね
VARIO分析とは
企業の優位性を4つの評価軸から分析する手法です。
資源の価値(Value)
その経営資源に価値があるかを見いだします
- その資源・能力があれば事業機会を逃さず、脅威にうまく対応が出来るか
- その資源・能力があれば顧客の価値が創造できるか
- その資源・機会をもって、外部顧客の獲得に有効であるのか
資源の希少性(Rarity)
その資源に価値があっても、簡単に手に入るようではコア・コンピタンスになり得ません
- 競争相手のうち何社がその資源・能力を保有しているのか
- 能力の高い人材でも容易に獲得出来るのであれば、コアコンピタンスであると言えません
資源の模範困難姓(Inimitability)
その資源が希少であっても簡単に模範出来るものはコア・コンピタンスではありません
- 企業が積み重ねてきた独自の経験や歴史によって摘み重なった結果としての資源である(経路依存性)
- 資源が組織内の複雑な要素によって形成されており、因果関係の不明性が高く模範困難性が高い
- 当該資源が特許等に守られており、占有性が高い状況である
組織(Organizations)
持続的に競争優位性を確立できるものであっても、十分な組織が形成されていなければ、十分に優位性を発揮出来ません
- 資源や能力の潜在力十分に引き出し、活用されるように組織は形成されているか
- その資源の価値を理解できるよう組織教育、理解が進んでいるか
特に注目するのは模範困難性です。
企業が有する情報的経営資源は汎用的な設備(物質的資源)よりも模範困難性が高く、競争優位性の源泉となり得ます。
最新鋭の設備を導入しても使いこなせなければ競争優位性が高いとは言い切れません。企業として簡単に真似が出来ない仕組み・製品づくりのプロセスを確立する事が強い組織作りであるとも言えるでしょう。
それらを判断するためにVRIO分析を用います。
VARIOフレームワーク
実際に資源を以下の表に当てはめて資源の競争優位性を確認します
- 競争資源に価値がなければ競争劣勢と判断し撤退を選択する
- 価値があっても希少性がなければ、市場においては均衡状態である
(市場に沢山ありふれているので可もなく不可もない状態である) - 価値・希少性ともにあるがコストがかかる資源は限定的な優位性である
(他者にマネされるとすぐに優位性が落ちてしまう) - 価値・希少性・コストが優れておりかつ、組織として最大限に活用出来るのであれば競争優位性は高く、持続的に保たれ得る
どんなに優れた資源でも組織性が低い場合は優位性が高いと言えません。大手は資本力を持って対抗してきますし、その際は資本力に乏しい中小に勝ち目はありません。組織力が高い場合は結束も固く、資源の流出も防ぐことが可能と言えるかも知れません。
大手企業のコア・コンピタンス
難しい説明が多くありましたが大手企業のコアコンピタンスを例えるとどのようなモノがあるのでしょうか?
- シャープの液晶技術
- オリンパスの内視鏡技術
- 村田製作所の固体電池
など大手の技術力と企業文化が繁栄されていると言えます。さらに具体的な例を挙げると。
トヨタ自動車の生産システム
トヨタ自動車は自動車産業において、独自の生産システムである「トヨタ生産方式」を確立し、世界中の自動車メーカーから高い評価を得ています。低コストのためかつ短納期な車を生産するのシステムであり、トヨタ自動車が競争優位性を持つためのコア・コンピタンスとなっています。
このシステムはジャストインタイム方式ともよばれており、在庫を持たず必要な時に必要な分だけ生産する方式です。
アマゾンの物流システム
アマゾンは、顧客が注文した商品を翌日や当日に届けるための高度な物流システムを持っています。 アマゾンの物流システムは、注文から出荷、配送までのプロセスを最適化するために、人工知能や機械を導入しています。アマゾンが電子商取引市場(EC市場)での競争選択肢性を確立するためのコア・コンピタンスとなっています。
グーグルの検索エンジン技術
グーグルは、インターネット上の情報を高速で検索することができる、検索エンジンの「Google」を開発しました。この検索エンジン技術は、Googleがインターネット検索市場での競争優位性を確立するためのコア・コンピタンスとなっています。
会社名=○○製品・○○技術と言える様な、企業を代表とする製品・技術のことですね。
まとめ
今回はコアコンピタンスを用いたVRIO分析を取り上げてみました。
中小の組織においても例外ではなく、創業が○○年といった老舗の商店などは、一貫して作り続けている製品があるかと思います。その製品はブランド力が十分に発揮されており、創業からの歴史は他企業に到底マネ出来るモノではありません。
きちんとしたブランド戦略を行う事で他者と差別化を図り、大手との競争にも共生していくことが出来ます。今後はそれらブランド戦略もブログにしていきたいと思います。
それではみなさま良い社畜ライフを!
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